よくみられる症状
消化器疾患
主な症状:下痢、血便、嘔吐、便秘など膵炎
犬では嘔吐・下痢・食欲不振・腹痛を示すことが多く、高脂血症や内分泌疾患などのある子に起こりやすいと言われています。
また、脂肪分の多いものや刺激の強いものを食べてしまうと、発生するリスクがあるとも言われています。
膵炎の重症度は様々で、軽度の症状しか出ないこともあれば、激烈な症状を伴い、命に係わるような状態に陥る場合もあります。
同じような症状の病気が多いため、血液検査や超音波検査などを行い、診断します。
治療は、動物の状態により、輸液や消炎剤、吐き気止め、痛み止めなどを投与します。重度の場合は入院治療を行うことが多いです。
猫では、症状がほとんどない慢性膵炎が一般的に多いと考えられていますが、急に悪化して酷い症状が出ることもあります。
また、胆管炎や炎症性腸疾患との関連が示唆されており、注意が必要です。
便秘
皮膚疾患
主な症状:痒み、発赤、脱毛、頭を振る、かさぶたができている外耳炎
耳の穴(耳道)に炎症が起きることを外耳炎と言います。痒みを伴うことが多い為、わんちゃんが耳をひどく掻いたり、頭を振る仕草が増えた場合は外耳炎の可能性があります。
外耳炎は赤み、腫れなど痒みを引き起こし、細菌や真菌(カビ)の感染を伴うと悪臭がしてきます。
原因としてはアレルギー性の疾患が多いと考えられていますが、それ以外でも、細菌感染、真菌感染、耳ダニなどの寄生虫感染、異物、その他様々な原因があります。
基本的な治療は耳道の洗浄を病院で実施した後、点耳薬を入れることですが、同時に原因となる疾患の治療が必要になることもあります。
炎症の具合によっては自宅で毎日点耳薬を入れてもらった方が良い場合もありますが、最近は1週間、あるいは1ヶ月効果の出る点耳薬もあるので、自宅での点耳が難しいわんちゃんでも安心してください。
また、重症の場合は飲み薬も併用することもあります。
中には難治性の外耳炎もあり、炎症が引かず耳の穴が塞がってしまうほど腫れが酷い場合は手術が必要になることもあります。
耳の痒みや赤みがあれば、お早めにご相談ください。
皮膚炎
泌尿器疾患
主な症状:頻尿、血尿、おしっこが臭う尿石症
膀胱炎
循環器疾患
主な症状:咳、呼吸困難、運動不耐性僧帽弁閉鎖不全症
犬で多く認められる心臓病で、心臓の中にある弁の異常で血液の逆流が起こることで、最終的に心不全になってしまう病気です。
聴診を行うことで発見できることが多く、レントゲン、エコー検査などを行い診断します。
初期の段階では無症状のことがほとんどですが、心臓が大きくなるにつれて咳が出てくることがあります。さらに進行して心不全を起こすと、呼吸困難で亡くなってしまうこともあります。
無症状でも心臓が大きくなってきたら、投薬を始めることで寿命を延長することができる可能性があるため、早期に発見できるように定期的に心臓の聴診をさせてください。
最近では飲み薬の治療だけでなく、手術を行うこともできるようになってきているので、希望される方は専門病院をご紹介させていただくこともできます。
気管虚脱
生殖器疾患
主な症状:メス⇒おりものが出る、多飲多尿、しこりができた/オス⇒尿・便が出にくそう、血尿子宮蓄膿症
中高齢になってくると、生殖器にトラブルがおこる可能性が高くなります。
子宮蓄膿症は子宮内膜に感染が起こり子宮の中に膿が溜まってしまう病気で、発見が遅れると最悪の場合死に至ります。
発情出血が終わって1~2か月後に発症することが多く、陰部から膿が出る・多飲多尿・嘔吐・下痢・食欲不振・元気喪失など様々な症状がみられますが、必ずしも全ての症状が出るわけではありません。
子宮に溜まった膿が排出されない閉塞型の子宮蓄膿症では、外見で異常が分かりにくいので発見が遅れる可能性もあります。
避妊手術を受けていれば子宮も摘出されているので心配する必要はありませんが、そうでなければ手術のリスクが高まる高齢期でも発症する可能性はあります。
基本的には外科的手術が第一選択ですが、麻酔をかけるリスクが非常に高く手術ができない場合は、内科治療を検討する場合もあります。
もちろん避妊手術をしていないすべての子が発症するわけではありません。
けれど避妊手術を行うことで確実に防ぐことのできる病気でもありますので、子供を産ませる予定がない・子供を産ませるには高齢になってきたなどの子はお早めに避妊手術をご検討ください。
前立腺肥大・会陰ヘルニア